花巻東高校の大谷くん、米大リーグ挑戦を表明

花巻東・大谷メジャー挑戦　１６０キロ右腕はどこまで通用するのか        （2012/10/23　　　　　産経新聞ZAKZAK）

今年のドラフト会議（２５日）の目玉の１人だった、花巻東（岩手）の大谷翔平投手が米大リーグ挑戦を表明した。ルール上、日本の球団が指名することは可能だが意思のない選手が指名を受けるはずもない。そうなると気になるのは、メジャーのどの球団に行くのか、そして若き１６０キロ右腕がどこまで通用するのか。実力、メンタル面、そして経験値など、不安な材料も少なくない。

　かねてからメジャー志向を表明していた大谷が、正式に態度を明らかにした。

　「最初から夢があった。若いうちに行きたい気持ちが強かった」

　過去には、新日本石油ＥＮＥＯＳ（現ＪＸ－ＥＮＥＯＳ）の田沢純一投手（現レッドソックス）が、２００８年のドラフト会議前に指名を拒否した例があるが、高校生がメジャー行きの進路を明確に口にした例はない。２１日の花巻東高での会見では「すごく難しい決断だった。気持ちが苦しいときもあったが、最終的にこういう決断をしたので、迷いなく言えた」と語った。

　これまでドジャース、レンジャーズ、レッドソックスと面談。最大で８球団が交渉の席に着くとみられているが、あるメジャー球団のスカウトは「ドジャースとは話ができているらしい。“できレース”と聞いている」と明かす。確かに、ドジャースは入学当初から接触をはかっており、最もメジャーを意識させた存在であることは間違いない。

　大谷が宣言したとはいえ、現行のルールでは、日本の球団が指名することも可能。それでも、地元東北のスターとして１位指名の方針だった楽天などは、これで回避の方向に転じる可能性も出てきた。

　夢を追うことは誰にも止める権利はないが、かなうかどうかは実力次第。大谷自身も「最初はマイナーリーグかもしれませんが、納得する結果を残したい」と、スタート地点が厳しいことは理解しているようだ。

　前出のスカウトは「１８歳で１６０キロの速球を投げる投手は米国でもそうはいない。そういう意味ではトップクラスの潜在能力」と話す。大谷は高校通算５６本塁打、１８Ｕ世界選手権でも４番を務めるなど、国内では打者として高く評価する球団もあった。しかし、このスカウトは「スラッガータイプは米国では埋もれてしまう。松井秀喜くらいの力量がないと」と否定的だ。

　気になる点もある。大舞台で活躍した経験が、意外に乏しいのだ。

　２年夏の甲子園は、股関節を痛めていたため右翼手で出場し、マウンドに上がったのは４回途中から。しかも初戦で敗退している。

　３年のセンバツでは、初戦で大阪桐蔭と対戦。同じドラフトで注目の藤浪晋太郎投手から本塁打を放っているが、投げる方は１１四球９失点と散々。そして夏は岩手県大会準決勝で１６０キロを計測したが、決勝で敗れて涙をのんでいる。

　スカウト氏は「１６０キロでも点を取られるということは、投手として何らかの問題がある。長丁場の甲子園を投げ抜いたことがないのでスタミナも未知数。何より全国大会で活躍した経験がないのも気になる」と問題点を挙げた。

　ただし炎天下の甲子園で連投していない分、ひじなどの消耗が少ないことは好感される点でもある。このあたりは評価の分かれるところだろう。

　さらに気になるのは、大谷のメンタル面だ。花巻東の環境はよく言えば純朴だが、裏を返すと世間慣れしていない。

　９月にプロ入りを表明した際には、「あっち（米国）に行くとなると、片方の親が来なきゃという感じになる。言葉のこともあるし…」と不安を口にしていた。米国では３Ａ、２Ａ、１Ａ、さらには独立リーグも含め、メジャーを目指す裾野は広い。

　「ハンバーガーリーグ」といわれるように、マイナーは食事、移動も厳しいなかで、一攫千金を狙って中南米から乗り込む猛者らも多い。その中でもまれて、はい上がってくるにはタフさは絶対条件ともいえる。

　「自分はどういうふうになっても米国に行きたい気持ちが強い」と強い決意を示した大谷。日本球界では初となるケースだけに、その決断と活躍できるか否かは、今後のドラフトにも影響を及ぼすことは間違いない。
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来年卒業して渡米ですか…すごい意気込みだと思いますね。　言葉・習慣の違いから1人で生活するには心細いなぁ～片親か親族が付き添うのかなｗ

米国の著名なメジャー球団が声かけてくれているようですが、日本のプロ野球球団の誘いを断るとは米メジャーに挑戦して、当たって砕けろの精神なんでしょうかねぇ？　日本人の負けん気根性を見せて欲しいです。　一旗揚げてこい！